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1998 年度 実績報告書

電子-イオン混合導電性蛍石型酸化物内の酸素ポテンシャル分布測定

研究課題

研究課題/領域番号 09750756
研究機関姫路工業大学

研究代表者

嶺重 温  姫路工業大学, 工学部, 助手 (00285339)

キーワード固体酸化物燃料電池 / 固体電解質 / ラマン分光法
研究概要

1. ラマン分光法を用いてSm、Gd、YをドープしたCeO_2の酸素不定比量を定量する手法を確立したCeO_2はSm、Gd、Yといった低原子価酸化物を置換固溶した際の電荷補償によって、あるいは高温、還元雰囲気におけるCeO_2自身の還元によって酸素空孔を生ずる。その際に電子・イオン導電性などの物注が敏感に変化するため、種々の組成、環境下での酸素不定比量を知ることは材料の基礎研究、種々のデバイスへの応用を考えるときに重要である。ドーピングにより、また還元雰囲気においてCeO_2に酸素空孔が導入されると、ラマンスペクトルにおいて460cm^<-1>付近のCeO_2の基本振動バンドに加えて600cm^<-1>付近の新たなモードが観測され、両ピークの面積比から酸素空孔濃度を評価できることを見出した。このようにして、高い空間分解能を持つCeO_2系材料内の酸素不定比量の定量法を確立した。
2. CeO_2系材料を燃料電池電解質として用いる場合に電極/電解質界面の構造が重要であることを見出した空気及び燃料ガス間に置いたCeO_2系材料内部に生ずる酸素空孔濃度分布をラマン分光測定から評価し、あらかじめ得ている酸素空孔濃度と酸素分圧の関係を用いることにより、材料内の酸素分圧(酸素ポテンシャル)分布を求めた。すると低酸素ポテンシャル領域が試料のほとんどを占め、ポテンシャル勾配は空気側近傍の狭い領域で見られることが分かった。このことからCeO_2系材料が低酸素ポテンシャル(還元雰囲気)で試料還元に伴なって発現する電子伝導性が、空気側のすぐ近くまで広がっているということを実験によって初めて確かめた。また、空気側に白金電極を取り付けることにより、空気側近傍がより還元されやすくなることがわかった。よって電解質内の電子伝導を抑えるために電極/電解質構造の設計が重要であることが明らかとなった。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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