研究概要 |
耐食性亜鉛合金めっきを行い,電析メカニズム,皮膜特性について検討した。 めっき浴には,まず,酸性硫酸亜鉛-硫酸クロム混合水溶液を用いてZn-Cr合金めっきを行った。クロムイオンには,有害なCr^<6+>ではなく,環境負荷の小さいCr^<3+>のものを用いた。添加剤には各種分子量の異なるポリエチレングリコール(PEG)を用いた。PEGを添加することによりクロムの共析量が増加した。電析電流密度を0.3〜1.2A/cm^2に変化させたところ,電流密度の増加とともにクロム含有量も増加した。また,PEG分子量は1540のものが最もよく亜鉛合金のクロム含有量を変化させた。一方,電析温度が高くなると,合金中のクロム含有量が低下した。PEGによる共析効果が弱くなるものと思われる。電析電流密度,電析温度によらず,クロム含有量が10%を越えると,電析物の表面形態が変化し,割れが存在した。また,電析温度が低いほど結晶粒の細かいなめらかな形態であった。
|