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1998 年度 実績報告書

水熱反応場を利用するバイオマス燃料電池の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09750821
研究機関東京大学

研究代表者

松村 幸彦  東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (80251370)

キーワード水熱反応 / バイオマス / 水素 / 燃料電池
研究概要

水熱反応場における水素電極特性を測定する実験を行い、いくつかの有効な知見を得た。実験には内容積280mLのステンレス製オートクレーブを用い、高温高圧におけるリン酸による腐食を避けるため、内部に100mLのガラスビーカーを設置した。この中に0.085wt%のリン酸を90mL封入し、水素、ギ酸、あるいはセルロースを水素源として添加、更に白金線製試料極、圧力平衡型Ag/AgCl外部照合電極、白金板製対極を挿入した後に、温度と圧力を設定、安定状態に達してからポテンシオスタットによって過電圧-電流曲線を測定した。実験温度は250,300℃とし、圧力はその温度における自生圧と初期封入水素による圧力の和とした。バイオマスを用いた水熱燃料電池においては、バイオマスの分解生成物が水素のみではなく、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンを初めとして多くの不純物が混在することとなる。ここでは、その影響を明らかとするために、水熱反応場における水素電極特性を水素封入場において行った後、ギ酸を添加した系で一酸化炭素の影響を、セルロースを添加した系で、他の多くの不純物の影響を確認した。水素のみを添加した系の平衡電位は、各温度において理論値とよい一致を示し、測定が適切であることが確認された。ギ酸を用いた系においては、平衡電位は一酸化炭素の存在にもかかわらず水素の平衡電位を示し、一酸化炭素存在下でも水素が選択的に還元されることが示された。しかしながら、セルロースを燃料として用いた時は、水素生成が少なく、電極上に固形物が付着して、分極特性が著しく劣化することが確認された。得られた知見を整理して、ここで提案する燃料電池システムには、バイオマス水熱反応により水素を多量に発生させるために、電解液酸濃度は希薄で、稼動温度は高く、燃料バイオマスの滞留時間は短くすることが好ましいという結果が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 与倉寛人: "回分式反応器を用いた超臨界水中における石炭・バイオマスの共液化" 第35回石炭科学会議発表論文集. 63-66 (1998)

  • [文献書誌] Yukihiko MATSURMURA: "Co-liquefaction of coal and cellulose in supercritical water" Fuel. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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