電気二重層の厚みを薄くして、効率よく電解を行わせるためには、超臨界二酸化炭素に支持電解質を高濃度で溶かす必要がある。そこで、いくつかの支持電解質の超臨界二酸化炭素への溶解度の圧力依存性を、分光学的方法により調べた。支持電解質としては、過塩素酸テトラアルキルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラアルキルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸テトラアルキルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸テトラアルキルアンモニウムなどを用いた。 これらのうち、フッ素を多く含む支持電解質は、超臨界二酸化炭素に比較的可溶であった。しかしながら、電解合成に有効な電流値を得ることは困難であった。また、微量の共溶媒を用いることが、支持電解質を溶かすのに最も効果的であった。 超臨界二酸化炭素中でのピロールの電解重合を行った。通常の有機溶媒中と、ほぼ同様のピロール膜が形成可能であることが明らかとなった。本実験範囲では圧力の影響は、顕著でなかった。共溶媒として、水を用いたピロールの電解重合を行ったが、この系では電解重合は進行しなかった。
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