本流動層型燃料電池の開発においては、炭素粒子層のオーム抵抗の低減が重要となる。昨年の結果から、運転操作としては、間欠的な流動化操作による電解質/粒子の接触の更新を行うことが有効であることがわかった。一方、流動化操作を行う場合、層内での圧力損失を小さくし、またスラッギングをおこさずに均一に流動化させるには炭素粒子はGeldart分類のA拉子に分類される比較的細かな粒子が適していると考えられる。そこで、比較的細かな炭素粒子を用いた場合について、炭素粒子層の抵抗率と操作ガス速度、粒子径との関係を調べた。実験装置および方法は昨年と同様である。粒子としては石油ピッチ系活性炭粒子を粉砕、篩い分けによって平均粒子径163μm、115μm、66μmに調整したものを用いた。 抵抗率λのガス速度Uに対する依存性はB粒子(昨年検討した粒子)の場合と同様にシグモイド曲線状となり、最小流動化速度Umf付近でのλの上昇割合が大きかった。粒子径を163μm、115μmと比較的細かくしたことにより、流動化状態下(U=2Umf付近)での抵抗率はB粒子の場合の2/3ほどに小さくなることが分かった。しかし、さらに細かな66μmの場合ではB粒子と同程度に大きくなった。これには層の空隙率が関係していると考えられる。本流動層型燃料電池の操作には、粒子径100〜170μm程度の炭素粒子が適していることが分かった。
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