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1997 年度 実績報告書

アスパルテ-ム前駆体酵素合成系における複合体形成を考慮した晶析,抽出,反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09750844
研究機関大分大学

研究代表者

平田 誠  大分大学, 工学部, 助教授 (20264327)

キーワードペプチド合成 / 晶析 / 抽出 / 酵素反応 / アスパルテ-ム / サーモライシン
研究概要

ペプチドの酵素合成反応ではアミノ酸を基質として用いるため、カルボキシル成分となる基質の負電荷とアミン成分となる基質の正電荷の間で,これらイオン対の塩が形成することがわかっている。ここでとりあげている人工甘味料アスパルテ-ムの前駆体の合成反応系では、カルボキシル基質に2つのカルボキシル基,アミン基質に1つのアミノ基,生成物に1つのカルボキシル基があり,さらに基質と生成物はフェニル基を有するため疎水的なインターラクションも存在する。本研究では,晶析,抽出,反応のそれぞれの系において,そのようなインターラクションにより形成される塩などの複合体の影響を考慮し,より広範囲な濃度条件下における平衡式・速度式を提出することを目的としている。
本年度は,晶析系ならびに抽出系において,生成物であるZ-アスパルテ-ムとアミン基質であるL-フェニルアラニンメチルエステルの2成分系での複合体形成を考慮した溶解度平衡,抽出平衡の解析を行った。晶析系では,アミン基質濃度の上昇に伴ない,純粋なZ-アスパルテ-ムが晶析する酸性条件下においては複合体量が増加するために生成物のみかけの溶解度は上昇し,両成分のイオン対塩が晶析するような中性付近のpHにおいては溶解度積の関係からみかけの溶解度は低下した。また抽出系では,アミン基質濃度の上昇に伴ない,アミン基質が水相中に分配する中性より低めのpHにおいては生成物のみかけの分配比は低下し,アミン基質が有機相中に分配する中性より高めのpHにおいてはみかけの分配比は上昇した。このような複雑な挙動は,イオン対などの複合体形成を考慮したモデルに基づき提出した式により良好に説明することが可能であった。なお,酵素反応に関しては,逆相クロマトグラフィーを用いて標準基質の加水分解反応をモニターすることにより,従来法より信頼性の高い酵素濃度の値を求められることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Makoto Hirata: "Development of Novel Method for Enzymatic Peptide Synthesis Utilizing Extractive Reaction" J.Chem.Eng.Japan. 30・3. 467-477 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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