| 研究概要 |
反応は固定床加圧式管型反応器を用い、標準条件54atm,153℃,イソブタン(臨界温度408K、臨界気圧36bar)と空気の比を3対1、触媒接触時間はW/F=10gh/molとして行った。反応中間体であるt-ブチルハイドロパーオキサイドからt-ブタノールとアセトンへの生成経路がある^<(1)>。また副反応としてt-ブタノールの生成後の脱水反応によるイソブテンが、更にその重合反応によりイソオクテンが生成する。その他の生成物としてはCO,CO_2,C_1-C_3などがある。
5種類の触媒を用いて、気相反応と超臨界相反応の反応成績を比較した。気相での反応に比べ超臨界相ではイソブタン、酸素転化率がともにかなり向上した。特に酸素転化率の上昇は著しい。一般的に、気相から超臨界相に入ると、t-ブタノールとイソブテンの選択率はやや増加した。しかし、Pd/C触媒は超臨界相において、高い選択率も示した。収率から見るとSiO_2-TiO_2,Pd/CとNa_2WO_4/SiO_2触媒の活性は高かった。
触媒系の反応成績は無触媒のを上回ったので、解媒使用はの必要である。
一方、気相と超臨界相の間(48気圧前後)では臨界異常が現れた。温度を426Kにキップして、SiO_2-TiO_2触媒上の圧力効果を調べた。48気圧を越えると、反応系は気相から超臨界相に入る。それと共に、イソブタン、酸素の転化率、t-ブタノールとイソブテンのの収率は大幅に上昇した。しかし、超臨界相に入ってからさらに圧力を上げると、反応活性は逆に少し減少した。
触媒を用いるとt-ブタノールを高選択率で得ることができる。この結果はt-ブチルハイドロパーオキサイドの分解反応において固体酸触媒などが有効に反応を制御していると考えられる。
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