担持量を変化させたルテニウム-セシウム触媒を用いて^<35>Sでラベルしたジベンゾチオフェン([^<35>S]DBT)の水素化脱硫反応を行い、作動状態での触媒中の硫黄の挙動を追跡することにより、この触媒の脱硫反応特性について検討した。この反応において、触媒上の活性サイトの数を示すと考えられる交換可能な硫黄量S_0及び触媒上の硫黄の移動性を表していると考えられる放出速度定数kを反応によって生成される[^<35>S]H_2Sの量と生成速度を評価することにより求めた。ルテニウムの担持量の増加に伴いkは減少することがわかった。また、Ru担持量の増加にともない転化率は増加したが、ルテニウムの担持量20%において転化率は若干減少した。以上より、ルテニウム担持量の増加はルテニウム硫黄結合を強くすると同時に、活性サイトの数を著しく増加させることにより脱硫活性を向上させるが、20%まで担持させると触媒上の硫黄の移動が遅くなるために脱硫活性は低下することがわかった。次にロジウムカルボニル及びルテニウムカルボニルを担体のアルミナに担持した触媒を調製し、難脱硫性化合物であるジベンゾチオフェンの水素化脱硫反応を試み、高活性な脱硫触媒の開発を検討した。まず始めに、ロジウム触媒を調製し、その上に、ルテニウムの担持量が16wt%になるようにルテニウムカルボニルを担持させた場合、ジベンゾチオフェンの転化率は大幅に向上した。また調製法の影響を調べるために始めにルテニウムの担持量が16wt%のルテニウム触媒を調製し、その上に、ロジウムの担持量が0.25wt%になるようにロジウムカルボニルを担持させた場合、ジベンゾチオフェンの転化率は先にロジウムを担持させた触媒よりもさらに向上した。このことは先にルテニウムを担持させ、その上にロジウムを担持させることでより高活性名ロジウムがルテニウム触媒表面上に高分散に担持されたためと考えられる。
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