研究概要 |
酸化物の合成法:(1)金属アセチルアセトナト錯体を用いたゾル-ゲル法等により、高表面積のペロブスカイト型酸化物微粉体および、薄膜を合成できることがわかった。(2)クエン酸、尿酸錯体法により高表面積の複合酸化物を従来よりもかなりの低温で合成できることがわかった。 リン酸イオン検知特性:(1)種々のランタノイド系ペロブスカイト型酸化物系カーボン電極を合成し、リン酸水素イオン(H_2PO_4^-,HPO_4^<2->)に対する電気化学的検討を行ったところ、いずれの電極もリン酸イオンに対して起電力応答を示さなかったが,Co系酸化物ーカーボン電極が、リン酸イオンを含む溶液中で高いアノード電極触媒活性を示し、しかもその電流値はリン酸イオン濃度に依存することがわかった。また、そのアノード電流変化を用いれば、電流検出型リン酸イオンセンサを構築できることがわかった。 素子構造と応用:(1)カーボン電極を酸化物、カーボンを種々の結着剤(PTFE,PVC等)を用いて、集電体(Ni,Cuメッシュ)上に、ホットプレス法により作製することにより、従来のものよりもかなり高感度な良好な電極を作製できることがわたった。(2)種々の酸化物薄膜系電極においてもアノード電流検出型のリン酸イオンセサを構築できることがわかった。また、酸化物薄膜系電極の電極反応にもとづく光学的変化をリン酸イオンセンサに応用できることを見出した。
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