研究概要 |
酸化物の合成法:(1)アセチルアセトナト錯体法等により、ぺロブスカイト型酸化物薄膜を合成できることがわかった。(2)アセチルアセトナト錯体法、リンゴ酸法、尿酸錯体法により高表面積の複合酸化物を従来よりもかなりの低温で合成できることがわかった。 電流検出型センサ:(1)ランタノイド(Ln)系ペロブスカイト型酸化物系カーボン電極を合成し、リン酸水素イオン(H_2PO_4^-,HPO_4^<2->)に対する流動検出型センサの検討を行ったところ、Ln(=La,Nd,Pr,Sm)-Co系酸化物-カーボン電極が、リン酸イオンを含む溶液中で高いアノード電極触媒活性を示し、しかもその電流値はリン酸イオン濃度に依存することがわかった。また、そのアノード電流変化を用いれば、電流検出型リン酸イオンセンサを構築できることがわかった。また、LaCoO_3薄膜電極を用いれば応答が速い(約5min〜数秒)高性能なリン酸イオンセンサが得られることを見出した。 エレクトロクロミズム型センサ:遷移金属系酸化物(Co_3O_4,NiO等)をゾル-ゲル法や電析法を持ち家ITO付き基板上に作製した酸化物薄膜電極が、リン酸イオンを含む溶液中でエレクトロクロミズムを示し、しかもその透過率変化がリン酸イオン濃度の対数に比例して変化することを見出した。Co_3O_4系電極は、1.0x10^<-6>〜1.0x10^<-2>MのHPO_4^<2->に対して光学変化を示し、反応時間も約50秒と良好なリン酸イオン応答を示すことを見出した。また、本素子は、NO_3-やCl^-などに対する選択性も高く、全く新しいタイプのオプティカルリン酸イオンセンサとなることを見出した。
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