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1997 年度 実績報告書

構造単位法による多成分系無機多孔体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09750920
研究機関岐阜大学

研究代表者

長谷川 功  岐阜大学, 工学部, 助手 (20237960)

キーワード構造単位法 / シリカ / ジルコニア / 多孔体 / ケイ酸アニオン / トリメチルシリル化 / 耐熱性
研究概要

本研究は,構造単位法により多成分系無機多孔体を合成するための手法を確立することを目的とし,本年度はこの方法によるSiO_2-ZrO_2系多孔体の合成条件について研究を行った.
この多孔体の前駆体の合成には,二重四環シロキサン(Si_8O_<20>^<8->)構造を持つ(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムシリケートをSiO_2源,ジルコニウムテトラキス(2,4-ペンタンジオネート)をZrO_2源として用いた.メタノール中,室温でこれらの化合物の反応を行うと,約1時間後にゲルが生成した.この溶液中でのケイ酸種の重合挙動をトリメチルシリル化法によるガスクロマトグラフ分析により追跡した所,Si_8O_<20>^<8->構造が分解することなく反応が進み,ゲルが生成することがわかった.
生成したゲルは50℃で2週間以上乾燥を行った後,空気中650から1000℃で焼成した.焼成物は非晶質であったが,より高温で焼成すると正方晶ZrO_2の結晶化が認められた.
このゲルの650℃での焼成物は,500m^2g^<-1>の比表面積,約4.3nmの平均細孔径を持つメソ多孔体であることがわかった.同じ組成を持つゲルをSiO_2源としてテトラエトキシシランを用いてゾル-ゲル法により合成し,上述の条件で乾燥後650℃で焼成すると,生成物の比表面積は425m^2g^<-1>,平均細孔径は約2.8nmであった.組成が同じ出発溶液から合成したにも関わらず,構造単位法で合成した多孔体の方が比表面積,平均細孔径とも大きな値を示した.この違いはSiO_2源として用いた化合物の構造及びそれらの重合挙動に起因するゲルのナノ構造の違いによるものと考えられ,構造単位法が多成分系多孔体の合成にも有効であることが示唆された.
また構造単位法で合成したゲルの1000℃での焼成物は,188m^2g^<-1>の比表面積を示し,この方法により耐熱性のある多孔性材料が合成できることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Isao Hasegawa: "Building block approach to SiO_2-ZrO_2 porous materials" Applied Organometallic Chemistry. (印刷中).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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