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1997 年度 実績報告書

アレニルアミンの特異な反応挙動を利用した有用複素環化合物の合成法

研究課題

研究課題/領域番号 09750936
研究機関長崎大学

研究代表者

木村 正成  長崎大学, 工学部, 助手 (10274622)

キーワードアレン / 環化付加反応 / オキサゾリジノン / シクロブタン / 1,3-転位反応
研究概要

4-エテニリデン-2-オキサゾリジノン(アレニルアミン)をスチレンと80°Cで加熱反応するとアレンの末端二重結合で〔2+2〕の環化付加反応が進行しシクロブタン誘導体を収率良く与えた。スチレン-d_8やCis-スチレン-d_1と同様の条件で反応するといずれも1種類のシクロブタン誘導体を位置及び立体選択的に与えた。つまりアレニルアミンとスチレンとの〔2+2〕環化付加反応は協奏反応で進行していると考えられる。これまでに報告されているアレンとオレフィンとの〔2+2〕環化付加反応は光照射下やルイス酸存在下の条件で行われている。加熱反応の場合では200°C前後のように過酷な条件下で、ビラジカル中間体を経由した多段階的な反応機構で進行すると報告されている。上述のように80°Cの穏やかな条件下で、しかも位置及び立体選択的に〔2+2〕環化付加反応が進行した例は皆無である。本反応機構をさらに詳しく考察するためにアレニルアミンとオレフィンとの〔2+2〕環化付加反応の遷移状態をab initio計算(RHF/3-21G^*)によって検討した。その結果、生成物と同一の立体化学を示唆する遷移状態が最も安定な状態として求まり、本反応は協奏反応で進行している可能性が最も高いことが明かとなった。
N-トシル-4-エテニリデン-2-オキサゾリジノン(N-トシルアレニルアミン)をビニルエーテルと80°Cで加熱反応するとアレニルアミンの窒素原子上のトシル基がアレンの中心炭素へ1,3-転位反応しさらにビニルエーテルと〔4+2〕の環化付加反応を行いビニルスルホニル誘導体を単一生成物として与えた。同様の反応はビニルエーテルだけでなくシリルエノールエーテルやアリルシランを用いた場合でも進行した。またニトリルオキシドと反応を行うとアレンの内部の二重結合と〔3+2〕の環化付加反応が進行することがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Kimura: "“Regio-and Stereoselective〔2+2〕Cycloaddition of Allenes toward Olefins and Acetylenes"" J.Am.Chem.Soc.119. 10869-10870 (1997)

  • [文献書誌] M.Kimura: "“Effective Synthesis of 4-Ethenylidene-2-oxazolidinones via Palladium-Catalyzed Aminocyclization of 2-Butyn-1,4-diol Biscarbamates"" Tetrahedron hett.38. 3963-3966 (1997)

  • [文献書誌] H.Harayama: "“Synthesis of 1,ω-Dienyl Aldehydes and Ketones via a Novel β-Decarbopalladation Reaction"" Angew.Chem.Int.Ed.Engl. 36. 2352-2354 (1997)

  • [文献書誌] M.Shimizu: "“Unique Regio-and Stereoselectivity In the Allylation of Benzaldehyde with 2-Substituted Allylzincs Generated by Umpolung of π-Allylpalladium"" Tetrahedron hett.39. 609-612 (1998)

  • [文献書誌] H.Harayama: "“Palladium(II)-Catallyzed Intramolecular Amicocarbonylation of endo-Carbamates under Wacder-Type Conditions"" J.Org.Chem.62. 2113-2122 (1997)

  • [文献書誌] Y.Yamaru: "“Chemo-,Regio-,and Stereoselective Diels-Alder Reaction of Ambident Dienophilic Monothiomaleimide"" Liebigs.Ann. 907-923 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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