• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

新規チオカリックスアレーンの創生とその機能開発

研究課題

研究課題/領域番号 09750940
研究機関東北大学

研究代表者

壹岐 伸彦  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50282108)

キーワードチオカリックスアレーン / カリックスアレーン / 配位子 / 金属錯体 / S配位 / 溶媒抽出 / X線結晶構造解析 / 機能性材料
研究概要

1.チオカリックス「4」アレーンの金属イオン認識機能の調査
4つのp-tert-ブチルフェノールを4つのSで架橋して得られるチオカリックス「4」アレーンは,有機溶媒への溶解度が高いので,溶媒抽出によって錯形成能を評価した.対象は(1)第一遷移金属イオン,(2)アルカリおよびアルカリ土類金属イオン,(3)希土類金属イオンである.その結果,(2)をほとんど抽出しなかったが,一方(1)と(3)をよく抽出した.メチレン鎖でフェノールを架橋した従来のカリックス[4]アレーンは,どの金属イオンもほとんど抽出しないことから,チオカリックス「4」アレーンの(1)と(3)に対する親和性はS原子に起因すると考えられた.(1)に対する平衡論的な検討の結果,チオカリックス「4」アレーンは2価の遷移金属と1 : 1の量論比で錯形成し,その際2つのプロトンを放出することがわかった.
2.チオカリックス「4」アレーン-金属錯体の構造の調査
チオカリックス「4」アレーン-Zn (II)錯体について,NMR測定とX線結晶構造解析を行った.その結果チオカリックス「4」アレーンは2つのフェノール性O原子と共に1つのS原子で金属イオンに配位していることがわかった.これがチオカリックス「4」アレーンの遷移金属イオンへの高い親和性の原因と結論づけられた.
4.チオカリックス「4」アレーンの応用
チオカリックス「4」アレーンは(1)の中でもCu (II)イオンをよく抽出することが1.で示された.よってチオカリックス「4」アレーンをCu (II)イオンの高性能分離・検出機能試薬として応用することが可能である.また,チオカリックス「4」アレーンの遷移金属錯体は配位不飽和であることがわかり,有機合成用のルイス酸錯体触媒としての応用が期待できる.今後,金属イオンの光センシング機能試薬,診断試薬,光学材料,磁性材料として応用する予定である.

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi