研究概要 |
光分解性を持つαーメチルスチレンテトラマ-を開始剤とし、ポリ(トリメチルシリルオキシエチルメタクリレート(TMSM)-b-スチレン(S)-bTMSM)トリブロック共重合体をリビングアニオン重合法により合成、加水分解し、種々の組成と分子量を持つポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)-b-S-b-HEMA)トリブロック共重合体を合成した。 このポリマーをPSに良、PHEMAに貧となる選択性溶媒、トルエン・n-ヘキサン系に溶解した。この時、ポリマーI(PS:91%)は、ポリマー濃度0.5%、トルエン48%で粒径20nmの、また、ポリマーII(PS 72%)は、ポリマー濃度1%トルエン66%で粒径150nmのPHEMAコアーPSコロナ型球形ミセルを形成することが動的光散乱測定(DLS)よりわかった。 次に、ポリマーミセル中のPHEMAコア部を1,6-ヘキサンジイソシアナ-トを用い、溶液中で橋かけ、固定した。得られた橋かけ物の粒径をDLSを用い、臨界ミセル濃度以下で測定した結果、橋かけ前のポリマーミセルの粒径と同一であり、橋かけによりポリマーミセルの形態が化学的に固定でき、フラワー型のミクロゲルが合成できた。 フラワー型ミクロゲルのループ状シェル鎖の中央に存在するα-メチルスチレンテトラマ-を光分解することで、ループ状シェル鎖を中央から切断する為、UV照射を行った。照射前後で、プロック共重合体は中央から切れ、分子量が半分に減少したのに対し、ミクロゲルでは、照射前後で粒径に変化はなく、また、ポリマー切片も派生しなかったことから、ループの中央のみの切断が起きた事が解った。 以上のように、本年は、フラワー型ミクロゲルの合成条件及びループ状シェル鎖を切断したリフェアレンスとなるミクロゲルの合成条件を確立した。
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