n型π共役高分子ポリピリジン、ポリチアゾールをゼロ価ニッケル錯体を用いた脱ハロゲン化重縮合法により合成した。また、溶解性の向上を目指して側鎖にヘキシル基あるいはヘプチル基を有するポリピリジンあるいはポリチアゾールも同様に合成した。いずれも収率よく得られ、元素分析、IR、NMRスペクトル等により上記ポリマーの構造解析を行った結果、目的とするポリマーが得られていることがわかった。また、ポリピリジン、ポリチアゾールがギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸に可溶であったのに対して、アルキル置換型ポリピリジン、ポリチアゾールは、クロロホルム等の一般の有機溶媒にも可溶であった。クロロホルム溶液中ポリアルキルピリジンの重量平均分子量を光散乱法により評価した結果、21000であり、重合度にして140であることがわかった。また、有機溶媒中およびフイルム状態での各ポリマーの吸収、発光スペクトルから、ポリマーのバンドギャップエネルギーを求めた結果、3.1-3.8eV程度であることがわかった。また、電気化学的な解析から得られた各ポリマーの還元電位とバンドギャップエネルギーの値から、各ポリマーのエネルギー構造を明らかにした。現在、得られたn型π共役高分子光触媒を用いた二酸化炭素の光還元反応について展開中である。
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