研究概要 |
複2倍性4倍体野生種の利用法には次の様な利点が考えられる(Watanabe et al.,1994)。1)雑種一代はsesquiploidに相当し,多様な組み換えがおこりうる。これは,4倍性の品種が同質4倍体であること野生種が二つの異なるゲノムからなる複2倍性であることから考えられる。2)異数体等遺伝分析様材料が作出できる。3)戻し交雑が可能で,2倍性および4倍性両方の育種材料ができる。4)雑種一代および戻し交雑第一代でも十分な農業形質が認められる(Watanabe et al.1992,1994)。これらの知見に基づき、各種S.acaule由来のintrogression linesを育成し、次の様な実験作業を行った。 1)既成のF1やBC1よりS.acaule由来のintrogression linesを育成し、実験系統として50系統を使用した。 2)育成されたintrogression linesでのPLRV、PVX,PVY等ウイルス抵抗性および一般形質の評価をおこなった。特に、PVY抵抗性遺伝子Ryadgについての評価を行い、抵抗性系統を選抜した。また、Bc1における収量性も評価し、これらと抵抗性および分子マーカーとの相関関係を調査した。 3)異数体を細胞遺伝学的に同定した。 4)RFLP/RAPD分子マーカーを適用し,複2倍性4倍体野生種由来の染色体片の導入をintrogression linesで調査し、特に野生形質との関係の有無を調査した。
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