• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

循環型養液栽培における緩速砂ろ過法を用いた除菌システムの最適化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09760022
研究機関東京大学

研究代表者

峰 洋子  東京大学, 農学部・附属農場, 助手 (70282704)

キーワード養液栽培 / 緩速砂3過 / 除菌
研究概要

循環型養液栽培において,緩速砂ろ過技術の利用により循環養液中の病原体を除去する方法を確立するために,基礎データの取得と除菌効率の最適化のための検討を行った。
本実験で作成した緩速砂ろ過実験装置をNFT(薄膜水耕)型養液栽培装置の循環経路に組み込み,ベッド当り0.3〜0.4l/minの速度で養液を循環させて植物を栽培することができた。本ろ過装置の水圧によるろ液流出速度は初期1〜1.3l/minで、バルブにより0.3〜0.4l/minの速度に保った。その後砂表面が徐々に閉塞して0.3〜0.4l/minの速度が保てなくなったときに砂表面の削りとりを行って流速を回復させた。削り取りまでの期間は循環養液の性質,ろ過装置の齢によって左右された。ろ液EC(電気伝導度)はろ過槽上澄みおよびタンクのECと変わらなかった。ろ液pHはタンクpHを変化させても常に7付近で安定しており,これ以外のpHに調整することは困難であった。ろ液DO(溶存酸素)はタンクDOの70〜80%であった。植物に酸素欠乏の症状は見られなかった。植物の生育は対照(ろ過を通さない循環型)と比べ当初鉄欠乏と見られる症状を示したが,これは培養液pHが7前後にしか設定できなかったためと思われた。
液体培地で培養して接種したFusarium oxysporum菌,Pseudomonas solanaceae細菌,大腸菌Escherichia coliの緩速砂ろ過装置による除去率はいずれも99%以上,一般細菌の除去率も約90%以上であり,除菌システムとして非常に有効であった。一般細菌はろ過後の水路壁などに存在している分も計測されていると思われる。複数回の接種試験中,Pseudomonas細菌による青枯れ病が引き起こされた場合もあり,除菌能力のさらなる把握と条件の検討・改良が必要である。現在,温度条件についての検討を行っている。

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi