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1998 年度 実績報告書

塩生植物・アッケシソウおよびハママツナにおける内生菌の分類・生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09760048
研究機関(財)発酵研究所

研究代表者

岡根 泉  財団法人 発酵研究所, 真菌研究室, 研究員 (60260171)

キーワード植物内生菌(endophytic fungi) / 塩生植物(halophytes) / dematiaceous fungi / Alternaria / Stemphylium / Dleospora / アッケシソウ(Salicornia europaea) / ハママツナ(Suaeda maritima)
研究概要

北海道東部の塩水湖であるサロマ湖、能取湖沿岸および瀬戸内海沿岸の塩田跡において、塩生植物であるアッケシソウ、ハママツナ、ハマアカザなどのアカザ科植物を採集し、それらの内生菌(endophytic fungi)フロラについて調査した。
その結果、Alternaria brassicola、A.alternata、Stemphylium lycopersiciおよびCladosporium属菌などの暗色分生子不完全菌類(dematiaceous fungi)を主要メンバーとし、Ascochyta属菌などが比較的高頻度で検出された。この傾向は、採集地が異なる試料間、さらに昨年の調査とほぼ同様の結果であった。瀬戸内海沿岸で採集したアッケシソウからは、steやhylium属菌の完全世代と考えられているPleospora属菌(子嚢菌類)も高い頻度で検出された。
Alternaria、Stemphylium、Cladosporium属菌など、メラニン色素含有の暗色分生子を形成するdematiaceous fungiや、Stemphylium属菌の完全世代であるPleosporaが、アカザ科などの塩生植物から高頻度で検出されることについては、イングランドやカナダの塩生湿地における研究報告もあるが、今回の調査から、わが国においてもその傾向が認められ、両者の間に普遍的な関係があることが示唆された。これらの菌群と一般の陸上植物との関係においては、彼らは植物体表面に寄生している表生菌(epiphytic fungi)として知られており、その多くは宿主の老化に伴い組織内に侵入するものと考えられている。しかし一方で、これらの菌類がアッケシソウなどのアカザ科の塩生植物に内生的に存在する可能性が明らかになったことで、植物寄生菌の多様な生態特性の存在が示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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