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1997 年度 実績報告書

植物根のアルミニウムイオンによる伸長阻害の初期プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 09760051
研究機関東北大学

研究代表者

横田 聡  東北大学, 農学部, 助手 (60220555)

キーワードアルミニウム / ファルファルファ / 根 / 環境ストレス / 酸性土壌 / 酸性雨 / 細胞壁
研究概要

酸性土壌や酸性雨により汚染された土壌では植物根は高濃度に可溶化したアルミニウムイオンによる伸長阻害を受ける。しかしそのメカニズムはいまだ明らかとなっていない。本研究では、アルミニウムイオンによる細胞伸長の阻害メカニズムを明らかにすることを目的としている。今年度はまずアルミニウムイオンによる細胞傷害の可能性の一つとされている細胞膜の損傷と細胞伸長との関係を調べた。蛍光色素FDAとDAPIの組み合わせにより、アルミニウムストレス下での細胞のviability及び細胞膜透過性の変化を可視化したところ、数時間で変化が認められたが、それは細胞伸長が停止した以後に起こっていることが示された。同様にX線分析法の一つであるPIXE法により根の表面細胞の元素組成を調べたところ、アルミニウムストレス下で細胞膜の損傷を示唆するK/P ratioの低下が認められたが、これもやはり細胞伸長が停止した以後に起こることがわかった。したがって、アルミニウムイオンによる細胞伸長の阻害は、細胞膜の損傷という根本的な変化が起こる以前に、細胞内あるいは細胞壁において何らかの生理的・物理的変化が起こったためであることが示唆された。
このことをより明らかにするために、まずアルミニウムストレスによる細胞内Kの濃度変化を非破壊でchaseすることとした。蛍光色素PBFI-AMを根の細胞にloadingし、その蛍光強度から細胞内Kの濃度を顕微測光により定量することを試みた。現在のところ、十分な蛍光強度を得るためのloading条件の検討などを行っている。また同時に細胞膜の透過性をより鋭敏に反映すると言われる新規蛍光色素を用いて細胞膜の損傷度合いと、細胞核に発生する変化を同時にモニターする手法を試みている。来年度はこれらの成果をまとめるとともに、細胞壁における変化をモニターする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yokota et al.: "Application of vertical-beam in-air PIXE to surface analysis of plant roof exposed to aluminum stress" International Journal of PIXE. 7. 93-100 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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