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1998 年度 実績報告書

生理生化学や分子遺伝学的手法を駆使した植物の栄養条件に対する応答現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09760053
研究機関東京大学

研究代表者

藤原 徹  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80242163)

キーワードシロイヌナズナ / ホウ素 / 硫黄 / 変異株 / マッピング / bor1 / β-コングリシニン / 遺伝子発現
研究概要

本年度は硫黄に関してはβコングリシニンβサブユニット遺伝子のプロモータ断片を組み込んだカリフラワーモザイクウイルス35SRNAプロモータを用いて形質転換シロイヌナズナでGFPを発現させたところ、硫黄欠乏に応答して蛍光が観察された。また、ダイズ子葉培養系でのグルタチオンの効果を、阻害剤を用いて調べた。グルタチオンを加えるとβサブユニットタンパク質の蓄積が押さえられ、グリシニンの蓄積が促進される。グルタチオン合成の阻害剤を加えて培養すると、ある濃度段階では培地中に硫酸イオンが通常量存在していてもβサブユニットの蓄積が促進される蛍光が見られた。このことは硫黄欠乏に応答した種子貯蔵タンパク質の発現制御にグルタチオンが関与していることを示唆している。
ホウ素のシロイヌナズナ変異株borl-1については詳細なマッピングを継続して行った。その結果現在までに第2番染色体の下腕側約400kBの範囲にBORl遺伝子が存在することを明らかにした。
また、変異株についての生理実験、生化学実験を行った。変異株ではホウ素の根から地上部への移行に異常があることを明らかにした。また、細胞壁の構成糖について検討を行ったが、野生型株とのあいだで有意な違いは見いだせなかった。
さらに、ホウ素に関わる新しい変異株の探索を行った。根の生長を指標にしたスクリーニング、高濃度のホウ素に対する応答を利用したスクリーニングなどをおこなった。またborl-1変異株の復帰突然変異体のスクリーニングも行った。これらのスクリーニングから数株の有望な候補株が得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Honda C,Fujiwara T,Chino M: "Sulfate uptake in Arabidopsis thaliana." J.Plant Nutr. 21(4). 601-614 (1998)

  • [文献書誌] Masaki Hayashi,Kyuya Harada,Toru Fujiwara,and Keisuke Kitamura: "Characterization of a 7S globulin deficient mutant in soybean (Glycine max (L.) Merrill)" Mol.Gen.Genet.258(3). 208-214 (1998)

  • [文献書誌] Takaaki Sasaki,Mitsuo Chino,Hiroaki Hayashi,Toru Fujiwara: "Detection of several mRNA species in rice phloem sap" Plant Cell Physiol. 39(8). 895-897 (1998)

  • [文献書誌] Ishiwatari Y,Fujiwara T,McFarland K C,Nemoto K,Hayashi H,Chino M,and Lucas WJ: "Rice phloem thioredoxin h has the capacity to mediate its own cell-to-cell transport through plasmodesmata" Planta. 205. 12-22 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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