• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

出芽酵母の核に局在する新規アクチンファミリー タンパク質分子間相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09760066
研究機関東北大学

研究代表者

原田 昌彦  東北大学, 農学部, 助手 (70218642)

キーワード出芽酵母 / 組織特異的発現 / ヌクレオソーム / 核タンパク質 / アクチン関連タンパク質 / アクチンファミリー / クロマチン / ヒストン
研究概要

Act3pは酵母の生育に必須なアクチン関連タンパク質(Actin-Related Protein:Arp)であり、そのアミノ酸配列のほぼ全域でアクチンに相同性を示すが、2ケ所に他のアクチンファミリータンパク質には存在しない挿入ペブチド領域がある。Act3pは核に局在しており、遺伝子発現制御への関与が示唆されている。Act3pのカルボキシ末端にヒスチジンタグを付加してゲノム上のACT3遺伝子と相同組換えを行うことで、Act3p-His6を発現する酵母株を作製した。この株の抽出液から、Ni-NTAカラムを利用して、Act3p-His6が含まれるタンパク質複合体を単離した。この両分をさらにゲルろ過カラムで分画し、抗Act3p抗体を用いてウエスタンプロットを行い、Act3pがおよそ300kDaのタンパク質複合体に含まれていることが示された。現在、このタンパク質複合体に含まれるタンパク質の解析を行っている。
Act3pのアミノ酸配列の情報を用いてヒトESTデータベースをスクリーニングしたところ、Act3pに相同性を有する2つの配列が見い出された。これらの全長の配列を決定したところ、これらは互いに94%相同な新規Arpのアイソフォームであり、これらをhArpNα,βと名付けた。hArpNα,βとGFPとの融合タンパク質をHeLa細胞で発現させたところ、両者とも核への局在が観察され、ユウクロマチン領域にその多くが存在していた。さらに、hArpNα,βの組織特異的な発現をRT-PCRを用いて解析したところ、hArpNβは様々な組織で広く発現が認められるのに対し、hArpNαは脳でのみ発現していることが示された。hArpNα,βが出芽酵母Act3pと同じクラスに属するかについてはさらに検討が必要であるが、これらの結果は、ARPが脊椎動物の核機能にも関与しており、さらに組織特異的な機能をも有している可能性を示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masahiko Harata,et al.: "Two isoforms of a human actin-related protein show nuclear localization and mutually selective expression between brain and other tissues" Biosci.Biotechnol.Biochem.63 (in press). (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi