研究概要 |
スレオニンアルドラーセ(TA)を用いたβ-ヒトロキシ-α-アミノ酸の立体選択的合成法を開発した。モデル系として,低立体選択性D-TA及びL-TAを用いて,DLスレオフェニルセリンの光学分割を行った。その結果,D-TAを用いた場合は,D-スレオフェニルセリンが完全に消失するのに対して,L-スレオフェニルセリンは98%以上残存していた。また,L-TAを用いた場合は,高光学純度のD-スレオフェニルセリンを合成することができた。応用例としては,抗菌剤フロフェニコール生産の中間体であるL-スレオ-メチルチオフェニルセリンの合成が挙げられる。組み換え大腸菌体止菌体を用いた場合,DL体合成基質から収率50%,光学純度97%以上のL-スレオ-メチルチオフェニルセリンを合成することができた。同様に,DL体合成基質からパーキンソン病の特効薬であるL-スレオDOPS合成の前駆体メチレンジオキシフェニルセリンを収率48%,光学純度99%以上の効率で分割することができた。
|