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1997 年度 実績報告書

植物のZ-クリスタリン様タンパク質による酸化的ストレス防御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09760116
研究機関京都大学

研究代表者

真野 純一  京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (50243100)

キーワードゼータ・グリスタリン / 酸化的ストレス / タバコ / シロイヌナズナ / キノンレダクターゼ / 植物生理学 / ジアミド / アゾジカルボニル化合物
研究概要

シロイヌナズナcDNAライブラリーからクローニングされたゼータクリスタリン(zCr)相同遺伝子(P1)は酵母の酸化的ストレス耐性を増大する。P1タンパク質の植物での機能について,以下の点を明らかにした。
1)P1タンパク質の酵素活性:大腸菌で発現させたP1タンパク質は,それと相同な哺乳動物zCrと同様のNADPH:キノン還元酵素活性(1電子還元)だけでなく,キノン類とは化学構造の全く異なるジアミドなどのアゾジカルボニル化合物をNADPHによって2電子還元する活性を有する。P1タンパク質はそれと相同なエノイルCoAレダクターゼ活性を示さない。モルモット眼球レンズのzCrはジアミド還元活性を示さない。すなわちP1タンパク質は新規な活性を持つ酵素である。
2)P1タンパク質の組織分布:組織免疫法により,P1タンパク質は植物の葉の表皮細胞に多く発現していることを明らかにした。
3)P1大量発現組み替えタバコのストレス耐性評価:P1遺伝子をタバコに導入し,P1のmRNA,タンパク質,ジアミド還元活性が野生株の10倍以上に増大したホモ接合体組み替えタバコ植物を得た。P1遺伝子導入により,幼植物の根の伸長のジアミドによる阻害が軽減された。一方,葉への様々な酸化的ストレス処理に対する耐性は増大しなかった。また,光酸化ストレスとして葉にパラコートを与え光照射したときのアスコルビン酸ラジカル生成量も野生株,組み替え体の間で差は認められなかった。以上の結果から,P1タンパク質は葉緑体で発生する光・酸素ストレスに対する防御ではなく,表皮からのストレス(細菌の侵入や機械的刺激)への過敏応答の際にみられる酸化還元反応に関与するのではないかと推測される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hideg,E.: "Increased Leveis of Monodehydroascorbate Redical in UV-B-Irradiated Broad Bean Leaves" Plant Cell Physiol. 38. 684-690 (1997)

  • [文献書誌] Mano,J.: "Ascorbate in thylakoid Lumen as an endogenous electron donor to photosystemII Protection of thylakoids from photoinhibition and regeneration of ascorbats" Photosynth Res. 53. 197-204 (1997)

  • [文献書誌] K.Asada: "stress Responses of photosynthetic Organisms" Elsevier, 16 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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