(1)イネ種子の主要貯蔵蛋白質の一つである16kDaアルビミン(RA)の遺伝子プロモーターについてGUS遺伝子と融合し、電気穿孔法あるいはアグロバクテリウム法にて形質転換植物体(イネ)の作製を行った。レポーター遺伝子として利用したGUS活性を指標にしてプロモーターの組織・時間特異的発現を検討したところ、イネ種子中で特異的な発現が見られた。 (2)α-グロブリン遺伝子プロモーターに特異的に結合する核タンパク質として我々が既に同定しているREB(rice endosperm bZIP protein)のα-グロブリン遺伝子における転写調節機能の解明の一貫としてREB遺伝子自体の発現制御機構の解明を行うために、そのcDNAをプローブとしてゲノム遺伝子の単離を試みた。イネゲノム遺伝子ライブラリーをスクリーニングしたところ、複数のポジティブクローンを得た。これら約20クローンについてREBのcDNAプローブとの結合の強さを検討し、強いものについてサブクローン化を行い、塩基配列の決定を行った。その結果、REBゲノム遺伝子を含むクローンが存在することが判明した。 (3)REBのα-グロブリン遺伝子における転写調節機能を明らかにするために、α-グロブリン遺伝子プロモーターの上流に持つGUS融合遺伝遺伝子をアグロバクテリウム法によりタバコに導入し、さらにカリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーターの下流にREB遺伝子を融合させ同様の方法でタバコで発現させた。得られた形質転換タバコにおいてGUS活性がREBにより若干誘導される傾向にはあるが、有為な増加はみられなかった。 (4)REB遺伝子の発現様式をゲルシフトアッセイにて詳細に検討したところ、登熟期の胚乳に組織特異的は発現がみられた。
|