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1997 年度 実績報告書

琵琶湖産アユに寄生する線虫の中間宿主としての大型動物プランクトン・ノロの生態

研究課題

研究課題/領域番号 09760185
研究機関近畿大学

研究代表者

田中 祐志  近畿大学, 農学部, 講師 (90207150)

キーワード動物プランクトン / 鉛直分布 / Leptodora / Raphidascaris / 琵琶湖 / 水温躍層
研究概要

ノン(Leptodora kindti)は、琵琶湖産アユの主要な餌料生物である大型動物プランクトンで、線虫(Raphidascaris biwakoensis)の中間宿主と考えられているが、寄生の経路については明らかでない。本年度の研究では、ノロの鉛直分布と本線虫のノロへの寄生の実態を明らかにすることを目的として、現場調査を1997年8月25日日中、26日深夜、日中の計3回、琵琶湖北湖の北小松沖で行った。まず多項目水質プロファイラーを用いた物理環境の鉛直プロファイリングに基き、直読深度計付きプランクトンネット(口径45cm、目合500μm)を表水層、クロロフィル極大層、水温躍層上端、同下端、深水層の各層で水平曳きしたサンプルについて、実験室で動物プランクトンを選別計数し、種別に1立方メートル当りの個体数を算出した。また、宿主、非宿主ノロをそれぞれ30個体ずつ無作為に抽出して第2触覚柄部長を計測し、ノロのサイズと寄生の有無の関係を調べた。その結果、ノロの主分布層は日中にはクロロフィル極大層と表水層底部に多く、深夜にはより上方の移動していた。いずれの時間帯においても、餌となる動物プランクトンノ多い深度に定位しようとしていたものと思われる。また、宿主ノロは非宿主ノロより体サイズが明らかに大きかった。ノロが捕食する餌生物のサイズはノロ自身の体サイズに依存するので、小型ノロには、大型である真正中間宿主であるヤマトヒゲナガミジンコ(Eodiaptomus japonicus)を捕食できないのであろう。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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