平成9度(1年目)は、本格的な意思決定プロセスの分析の準備として、個別農業経営と各種業者・組織との組織間関係の整理を行うこととした。 その試行として、栃木県におけるイチゴの新品種の開発・普及を素材として取り上げ、各種業者・機関・組織を対象とした聞き取り調査および農協や個別経営を対象とした実態調査を行った。その分析から得られた知見は、以下の通りである。 (1)イチゴの品種開発は公的機関が主導している。 (2)従って、技術情報も公的機関および農協・部会組織の役割が大きい。 (3)しかし、技術情報の受容のされ方は、農協・部会単位で大きく異なる。 (4)その違いは、部会内での情報の流通構造が大きく影響している。 (5)農家自身から発せられる情報の量と、その横への広がり方が大きな要因となっている。
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