平成9年度において行われた研究活動は以下の通りである。 1.品質管理に関する経済文献の基礎的レビュー 米国農務省において研究プロジェクトが進められているが、そこでの成果などを中心に欧米の研究事例を検討した。 2.品質管理に関する技術的指導書の収集と検討 食肉加工業および関連業種である乳製品製造業の業界団体が発刊した指導書を精査し、今後の個別の事業所のヒヤリングに備えた技術面の情報収集を行った。 3.食品加工施設の訪問調査 北海道の大規模畜産地帯に立地する大型加工処理施設を訪問し、その操業内容や衛生基準・品質保証の改善取組を調査した。 4.担当官庁(農林水産省)でのヒヤリング 現在検討されている新しいHACCP関連の食品衛生指導の内容について聴き取りを行った。 以上のような文献収集やヒヤリングを重ねた結果、食品衛生をめぐる状況が大きく進展しており、次のような点が明らかとなった。 1.食品産業界では急速にHACCP概念が普及しており、業界団体を中心にして具体的な導入計画を進める産業も現れている。 2.工場建設をうけおうゼネコンなど建設業界も食品業界に対してHACCPに対応した製造ラインを積極的に提案する動きがある。 3.厚生省や農林水産省において新たな行政上の対応が検討されつつある。
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