研究概要 |
1.経営学,経済学,さらには農村生活・福祉論等,依拠する学問分野についての基礎的検討を行い,農協の高齢者福祉活動の問題への適用可能性について理論的に考察した。また,農協の生活面活動に関する既存の研究成果をサーベイすることによって,本研究課題についての論点整理を行った。 その結果,協同組合としての農協が高齢者福祉活動に取り組むことの現代的意義として,(1)組合員の組織力が強化される,(2)新しい事業展開が可能になる,(3)農協の経営基盤強化に貢献する,といった可能性が大きいことが明らかとなった。 2.農協の高齢者福祉活動の展開方向を次の三つの段階に分けて考察し,全国的にみた取り組み事例の類型化と検討を行った。 第1段階:高齢者福祉活動に関する組織づくり(組合員組織,活動実行組織等),および農協の事務局体制づくりを行う段階。第2段階:第1段階における組織・体制づくりを受けて,ホームヘルパーの派遣,配食や訪問入浴のサービス等「在宅福祉型」のサービス事業を行う段階。第3段階:ケアハウスや特別養護老人ホーム等の福祉施設を建設することによって,「施設利用型」のサービス事業を行う段階。 その結果,第1段階,第2段階の取り組み事例が,全国的にみてもかなり進展していること,特に第2段階での取り組みについては,農協と行政との新たな連携体制が構築されつつあることが明らかとなった。 3.次年度で予定している調査対象農協の予備調査を行った。
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