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1997 年度 実績報告書

積雪内における溶存イオン移動のシミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 09760217
研究機関山形大学

研究代表者

飯田 俊彰  山形大学, 農学部, 助教授 (30193139)

キーワード積雪 / 水質 / シミュレーション / 溶質移動 / 物理モデル / 融解・凍結
研究概要

これまでに開発が進められてきた積雪内での溶存イオン移動をシミュレートする鉛直1次元物理モデルを、当学部附属演習林内に設定された試験地で2冬期間に連続的に測定された積雪断面の実測データに対して適用した。その結果、本モデルの計算値により、積雪ぬれ密度の鉛直プロファイルの実測値の変動が長期間にわたり良好に再現され、本モデルが積雪内の鉛直方向の水移動のシミュレーションに有効であることが確認された。積雪の陰イオン濃度の鉛直プロファイルのシミュレーション結果では、特に降雪が多い時期において積雪上層部で実測値と計算値との適合度が低かった。この原因として、降水の水質の観測間隔が長いことや、水平方向の水および溶存イオンの移動を考慮していないことなどが考えられ、さらにモデルの改良が必要であると思われた。また、モデル内の各種の未定パラメータの推定の結果から、積雪の不飽和透水係数、水分拡散係数、溶質分散係数が、積雪ぬれ密度と積雪の含水率の関数として表現できることが明らかとなった。
また、シミュレーションのための基礎的な実測データを得るために、コントロールされた状況下で積雪を融解再凍結させることができるような室内実験装置の作成を行った。この実験装置では、試料の温度を精密にコントロールできるよう恒温槽の中に積雪試料が設置され、積雪最上層の温度を任意に制御することや、実験中に積雪試料各部の温度をリアルタイムでモニタリングすることが可能である。これより、制御された条件下で積雪の物性変化の特性を把握することが可能となった。作成した実験装置に、実際の積雪試料を供試し、積雪を融解再凍結させた。その結果、積雪内の鉛直方向の水および溶存イオンの、融解再凍結に伴う移動の状況が把握されたが、積雪最下層からの排水に関して、実験装置のさらなる改良が必要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 飯田俊彰・上木勝司・塚原初男: "積雪からの高イオン濃度融雪水流出のシミュレーション" 第5回水資源に関するシンポジウム論文集. 671-676 (1997)

  • [文献書誌] Toshiaki Iida, Katsuji Ueki and Hatsuo Tsukahara: "One-dimensional physical model of movement of dissolved ions in snowpack" ′Acid snow and rain′Proceedings of international congress of acid snow and rain 1997. 191-196 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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