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1998 年度 実績報告書

動物ヘルペスウイルスの宿主特異性の検討;赤血球凝集活性に注目して

研究課題

研究課題/領域番号 09760271
研究機関山口大学

研究代表者

前田 健  山口大学, 農学部, 助教授 (90284273)

キーワードglycoprotein C / glycoprotein D / ネコヘルペスウイルス1型 / イヌヘルペスウイルス / ウマヘルペスウイルス1型 / ウマヘルペスウイルス4型 / 赤血球凝集素 / 宿主域
研究概要

本年度は馬に呼吸器疾患を引き起こし馬鼻肺炎の原因ウイルスであるウマヘルペスウイルス1型(EHV-1)及び4型(EHV-4)に注目して研究を行った。両ウイルスは遺伝子レベルで80%近くの相同性を有しており、血清学的にも抗原性が交差することが知られている。しかし、EHV-1は多くの動物種由来の培養細胞に感染するのに対して、EHV-4は馬由来の細胞にしか感染しないことが知られている。両ウイルスのの感染性の違いを検討することにより、動物ヘルペスウイルスの宿主域規定因子の同定が可能になると考え、以下の実験を行った。
まず、野外での宿主域の解析を行うためにEHV-1とEHV-4の疫学調査を行った。これまで、抗原性の類似のため両ウイルスの血清学的型別診断が不可能であったが、我々は糖蛋白gGの両ウイルス間で相同性の低い領域に注目し、これらを抗原としたELISAを開発し、両ウイルスの血清学的型別診断を可能にした。これを競走馬を中心とした様々な馬群に応用した結果、EHV-1は冬季の競走馬を中心として、また、EHV-4は年間を通して散発的に発生がみられることが示された(Yasunaga S,Maeda K,et al.1998.J.Vet.Med,Sci.)。これにより感染域の違いが症状及び感染性の違いに影響を与えている可能性が示唆された。加えて、近年、馬鼻肺炎予防のための不活化ワクチンの接種が行われており、従来の診断法ではワクチン誘導抗体と感染抗体の識別が不可能であったが、本ELISAはワクチン誘導抗体に反応しないことが示され、ワクチン接種された馬においても血清疫学調査が可能であることが示された(Yasunaga S,Maeda K,et al.投稿準備中)。両ウイルスの主要糖蛋白であるgB,gC,gD,gGの発現に成功し、現在、その性状を解析中である。
また、本申請研究により、ネコヘルペスウイルス1型とイヌヘルペスウイルスの宿主域規定因子は糖蛋白gDである可能性が示され、動物ヘルペスウイルスにおける宿主域に関する総説として報告することができた(Maeda K,et al.1998.J.Vet.Med.Sci.)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Maeda K.,Horimoto T.,Mikami T.: "Properties and functions of feline herpesuirus type 1 glycoproteins" J.Uet.Med.Sci.60(8). 881-888 (1998)

  • [文献書誌] Yasunaga S.,Maeda K.,et al.: "Diagnosis and sere-epigootiology of equise herpesuirus type 1 and type 4 in fections in Japan using a type-specific ELISA." J.Uet.Med.Sci.60(10). 1133-1137 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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