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1997 年度 実績報告書

ウシウイルス性下痢粘膜病における免疫寛容成立機序の解明とその予防法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 09760280
研究機関北海道大学

研究代表者

田島 誉士  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (90202168)

キーワードウシウイルス性下痢粘膜病 / BVD-MD / gp25 / E1 / ウイルス遺伝子
研究概要

牛ウイルルス性下痢粘膜病(BVD-MD)発症のためには、BVD-MDウイルス(BVDV)に対して宿主が免疫寛容状態になる必要があるとされている。これらの宿主は持続感染牛として牛群内での同疾患の大流行を引き起こす感染源となる。その摘発のために牛の末梢血白血球を用いてBVDV遺伝子のp14およびgp25(E1)コード領域を検出するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による正確で迅速な診断法が研究代表者らにより確立された。その際に、BVD-MD発症およびBVDV感染成立においてgp25が重要な役割を担っている可能性が示唆された。
そこで本研究ではgp25の機能を明らかにするため、日本の4つのBVDV標準株およびBVD感染牛から分離した野外分離株3株のgp25コード領域をPCRで増幅し、そのPCR産物の塩基配列およびアミノ酸配列を比較した。その結果、PCR増殖産物の塩基配列およびアミノ酸配列は7株間で非常い高率に保存されており、この領域のアミノ酸配列は疏水性が高く、その疏水性も完全に保存されていた。さらに、BVDV感染牛および非感染牛の末梢血白血球ゲノムDNAをテンプレートに用いてPCRを実施したところPCR増幅産物が得られ、このPCR増幅産物の塩基配列はウイルスgp25コード領域と非常に高い相同性を示した。また、それぞれのウシのこの相同領域の塩基配列は完全に一致した。
以上のことから、本研究では塩基配列を解読したgp25コード領域は、アミノ酸配列の疏水性の高さから膜貫通領域を含んでおり、gp25はウイルスの中和反応に関与している他の2つの糖タンパクgp48(E0)あるいはgp53(E2)のアンカーとして機能している可能性が示唆された。またBVDVの宿主であるウシゲノムDNA上にウイルスgp25遺伝子と相同性の高い領域が検出され、それに個体差が認められなかったことから、この相同性の高い配列はBVDVの接着、侵入などと何らかの関わりがある可能性も示唆された。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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