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1997 年度 実績報告書

重金属類の放射線防護作用におけるHSPの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09760284
研究機関岩手大学

研究代表者

佐藤 至  岩手大学, 農学部, 助手 (60225919)

キーワード放射線防護 / 重金属 / メタロチオネイン / SOD / HSP
研究概要

ICR系の成熟雄マウスに,硫酸亜鉛,塩化マンガンまたは塩化マグネシウムを0.1および1.0mmol/kg皮下投与し,24時間後に肝臓,腎臓,脳及び腸粘膜のメタロチオネイン(MT)含有量(Cd-hem法),SOD活性(亜硝酸法),HSP-70含有量(ELISA),金属元素濃度(PIXE法)を測定した。また,一群40ないし50匹のマウスに硫酸亜鉛,塩化マンガンまたは塩化マグネシウムを0.1mmol/kg皮下投与し,24時間後にX線(200kV,0.5Cu+0.5Al)を6.8Gy全身照射した。その後マウスの生存率を30日間観察し,放射線防護作用の有無を検討した。
亜鉛の皮下投与によって,肝臓,腎臓及び腸粘膜のMT含有量が著しく増加したが,脳のMT含有量には変化が見られなかった。マンガンも,肝臓,腎臓及び腸粘膜のMT含有量を増加させたが,その誘導作用は亜鉛よりもはるかに弱かった。一方,マグネシウムはMT誘導作用を示さなかった。MTの誘導作用は,組織中の亜鉛及びマンガン濃度の増加と相関が認められた。Mn-SOD活性は,亜鉛,マンガン及びマグネシウムの投与によって低下し,Zn-SOD活性はマンガン及びマグネシウムの多量投与(1mmol/kg)によって低下した。HSP-70含有量はいずれの金属によっても影響されなかった。一方,亜鉛及びマンガンは放射線抵抗性を誘導したが,マグネシウム投与群には対照群との間に有意な差は認められなかった。
以上の結果は,重金属の放射線防護作用がMTの誘導によるものであることを示唆しており,HSPの関与を示す証拠は得られなかった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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