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1997 年度 実績報告書

葉緑体に存在するプロトポルフィリノーゲン酸化酵素の構造とその分子調節に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09760304
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

蔡 晃植  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00263442)

キーワードプロトポルフィリノーゲン酸化酵素 / 除草剤 / クロロフィル生合成 / プロトポルフィリンIX / 抵抗性培養細胞 / クローニング / ノーザンブロット / 過剰発現
研究概要

プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(Protox)はクロロフィルとヘムの合成経路における最後の共通ステップを触媒する酵素であり、植物では葉緑体とミトコンドリアに存在する。また、この酵素はジフェニルエーテル系のアシフルオルフェンやフタルイミド系のS23142等の除草剤のターゲット酵素であることも知られている。これまで、植物に存在する本酵素の構造は明らかではなかったが、昨年初めて葉緑体型とミトコンドリア型Protoxがタバコからクローニングされ、その構造と存在部位が明らかになった。そこで、この情報を基に、以前報告者らが選抜したS23142耐性タバコ光mixotrophic培養細胞(YZI-1S細胞)の薬剤抵抗性機構を分子レベルで解析した。YZI-1S細胞の葉緑体型とミトコンドリア型ProtoxをPCRを利用してクローニングしたところ、両Protoxとも野生株のそれと全く同じアミノ酸配列であることが明らかになった。このことは、YZI-1S細胞における抵抗性はProtoxの変異によるものではないことを示している。次に、それぞれの発現レベルをノーザンブロットにより調べたところ、YZI-1S細胞のミトコンドリアProtoxのみが過剰に発現していることが明らかになった。さらに、両細胞の蛍光顕微鏡による観察の結果、YZI-1S細胞はミトコンドリアには顕著な違いが認められないが、葉緑体のクロロフィルが異常に減少していることも明らかになった。また、両細胞の微細構造を透過型電子顕微鏡で調べたところ、YZI-1S細胞の葉緑体の構造に大きな変化が認められた。以上の知見から、YZI-1S細胞におけるS23142抵抗性機構はミトコンドリアProtoxの過剰発現によってもたらされるものであることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Jing-Ming Wang: "Photobleaching activity of 2-(phenylamino) methylidencyclohexane 1,3-diones in tobacco (Nicotiana tabacum) cultured cells" Journal of Agricultural and Food Chemistry. 45. 2728-2734 (1997)

  • [文献書誌] 蔡 晃植: "プロトポルフィリノーゲン酸化酵素阻害型除草剤の分子・化学的機構解析" 植物の化学調節. (in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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