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1997 年度 実績報告書

ヒト好中球における新しい細胞内顆粒の超微形態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09770016
研究機関自治医科大学

研究代表者

瀧澤 俊広  自治医科大学, 医学部, 講師 (90271220)

キーワードヒト好中球 / 細胞内顆粒 / GPIアンカー型蛋白質 / アルカリ性フォスファターゼ / 細胞化学・ / 凍結割断レプリカ法 / 電子顕微鏡 / 細胞生物学
研究概要

本研究の目的は、ヒト好中球の細胞内顆粒、特に従来の特殊顆粒とは異なるGPI(glycosyl-phosphatidylinositol)アンカー型蛋白質を含む新しい細胞内顆粒の特性を明らかにすることである。先ずGPI-アンカー型蛋白質であるalkaline phosphatase(ALPase)の分布様式と動態解析を進めた。その解析を行うために、特定の細胞内顆粒膜上に微量に存在するALPase分子を高い解像力で同定し、その動態を明らかにできる新しい形態学的解析法“レプリカ酵素細胞化学"を開発した。レプリカ酵素細胞化学は、生体膜のレプリカ上で酵素分子を酵素細胞化学的に標識し電子顕微鏡で観察する手法である。この手法を用いてALPaseの分布様式を検討してみると、ALPaseは細胞内の小顆粒に存在しており、更にこの分子はその顆粒膜の内表面に限局していることを初めて形態学的に証明した。このことは、GPI-アンカー型蛋白分子であるALPaseの生化学的研究の結果から予測される分子局在様式と非常によい一致を示した。次に生体膜のALPase分子が他のGPI-アンカー型蛋白分子とどの様に関わりを持っているのか、その相互関係を明らかにする必要性に迫られた。そこで我々は更に、同一レプリカ膜上でのALPase分子を酵素細胞化学的に標識すると同時にCD16等の他のGPIアンカー型蛋白質を免疫細胞化学的に標識する多重標識法の開発に成功した。これによりGPI-アンカー型蛋白分子を含む顆粒の同定・二次元分布様式・分子間の相互関係を高解像力で明らかにすることが可能となった。現在この新しい形態学的手法を用いてGPI-アンカー型蛋白分子、更には接着分子であるCD11b(CR3 receptor),CD62L(L-selectin)等の細胞内局在と動態解析を精力的に進めている段階である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Toshihiro Takizawa: "Freeze-fracture enzyme cytochemistry reveals the distribution of enzymes in biological membranes : Enzyme cytochemical label-fracture and fracture-label." Acta Histochem Cytochem. 30・1. 77-84 (1997)

  • [文献書誌] Toshihiro Takizawa: "New fracture-labelling method : Alkaline phosphatase in unstimulated human neutrophils." J Electron Microsc. 46・1. 85-91 (1997)

  • [文献書誌] Toshihiro Takizawa: "Freeze-fracture cytochemistry : A new method combining immunocytochemistry and enzyme cytochemistry on replicas." J Histochem Cytochem. 46・1. 11-17 (1998)

  • [文献書誌] Toshihiro Takizawa: "Ultrastructural localozation o f enzymes in biomembranes as revealed by new enzyme cytochemical techniques." Acta Anat Nippon. 73・1. 1-7 (1998)

  • [文献書誌] 瀧澤 俊広: "凍結割断レプリカ法の酵素組織化学." 電子顕微鏡. 32・(Supplement2). 137-140 (1997)

  • [文献書誌] 齋藤 多久馬: "超高圧電子顕微鏡で見る細胞の姿." Mebio. 14・8. 121-124 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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