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1997 年度 実績報告書

ラット褐色脂肪組織におけるアポトーシス機構発現の可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 09770037
研究機関旭川医科大学

研究代表者

内海 計  旭川医科大学, 医学部, 助手 (90271759)

キーワード褐色脂肪組織 / アポトーシス / 遺伝子発現 / TNFリセプター / bcl-2 / 寒冷暴露 / ラット
研究概要

アポトーシスは遺伝子により制御される積極的細胞除去機構である.生体は機能的に不要になった細胞や異常を来した有害な細胞にアポトーシスを誘導し組織の恒常性を保っている.アポトーシスの主要誘導経路は細胞膜表面のFasあるいはTNFリセプターである.一方,ミトコンドリアの外膜に主に存在するbcl-2はアポトーシスを抑制することが示されている.
熱産生器官の褐色脂肪組織(BAT)はミトコンドリアが密に存在し,寒冷暴露時すなわち組織の機能亢進時に組織増殖を強く誘導する.最近,TNF-αがBAT熱産生活性を上昇させることも報告された.これらのことはBATの機能調節にアポトーシスが関与する可能性を推測させる.
本研究では今年度,BAT機能調節に関与するアポトーシスの有無を明らかにするために,RT-PCR法によるTNFリセプター1,Fasおよびbcl-2のmRNAの検出とアポトーシスに伴うDNA断片化の検討を計画し,現在以下の結果を得ている.
1.ラットBATにTNFリセプター1およびbcl-2のmRNAが検出された.
特にTNFリセプター1mRNAは強く発現していた.
2.寒冷暴露48時間でBATTNFリセプター1とbcl-2mRNAの遺伝子発現は共に増加した.
Fas mRNAおよびBAT細胞のDNA断片化の検出は現在進行中である.
BATでTNFリセプター1およびbcl-2のmRNAの存在が初めて明らかになった.アポトーシスに伴うDNA断片化の結果が得られていないため,BATにおけるアポトーシスの存在は現時点で明らかでない.しかし,アポトーシス抑制遺伝子のbcl-2の存在からBATの機能調節にアポトーシスが関わっている可能性が示唆される.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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