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1997 年度 実績報告書

アストロサイトに対するプロテインSとGas6の生理作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09770054
研究機関筑波大学

研究代表者

桜井 武  筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60251055)

キーワードアストロサイト / プロテインS / GAS6
研究概要

申請者らは、アストロサイトに対する細胞増殖因子の同定を目的に、アストロサイトに発現しているレセプターチロシンキナーゼをdegenerative primersを用いたRT-PCR法によって検索していたが、その過程において、アストロサイトにAx1とTyro3が発現している事を見出した。そこで、アストロサイトに対するプロテインSとGas6の作用を調べたところ、血清、エンドセリン-1、basicFGFなどの増殖因子による増殖をむしろ抑制するという事が明らかになった。また、培養アストロサイトにscratchによる傷害を施したモデル(scratch-injuryモデル)およびラット脳を用いた凍結損傷モデルを用いた実験で、損傷周辺部位において、プロテインSおよびAx1のmRNAの発現が大きく増強されている事がわかった。Scratch-injuryモデルや凍結損傷モデルにおいては、損傷部位において急激なアストロサイトの増殖がおきている。しかもプロテインSを作用させると、この損傷部位におけるアストロサイトの増殖を抑制するという事がわかった。こうしたことから、プロテインS/Gas6およびAx1/Tyro3はアストロサイトの増殖の制御に関与しており、とくに、脳損傷後のグリオーシスの抑制に関係している可能性があると考えられる。9年度は、アストロサイトにおける細胞生物学的な作用を明らかにするために、初代培養アストロサイトを用いてプロテインSおよびGas6の作用における細胞内情報伝達系をあきらかした。両者ともMAPキナーゼの1つであるErkの活性を上昇させることが明らかになった。また、Ax1とTyro3のcDNAをそれぞれ単独あるいは組み合わせてCHOまたはCOS7に発現させ、プロテインSおよびGas6で刺激した場合の情報伝達系を解析することによって、Ax1とTyro3が、レセプターとしての機能・役割分担をしていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tomobe,YI et al: "Anticoagulant factor protein S inhibits the proliferation of rat astrocytes after injury" Neuroscience Letters. 214. 57-60 (1996)

  • [文献書誌] Sakurai,T.et al: "Orexins and Orexin Receptors,A Family of Hypothalamic Neuropeptides and G Protein-Coupled Receptors that Regulates Feeding Behavior" Cell. 92. 573-585 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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