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1997 年度 実績報告書

アンチセンス法を用いた脊髄痛覚伝達・増強機構に関与するG蛋白質の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09770057
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

栗原 崇  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60282745)

キーワード痛覚 / G蛋白質 / アンチセンス法 / 脊髄
研究概要

本年度は成熟ラットにおいて様々な即時痛及び慢性痛モデルを、また新生ラットにおいて髄腔内投与の手技をそれぞれ確立し、各種G蛋白質αサブユニット(Gα)アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(アンチセンス;AS)の効果を検討した。成熟ラットにおいては主に行動学的検討を行い、新生ラットにおいてはAS投与後摘出脊髄標本を作製し、電気生理学的及び薬理学的実験を行った。その結果成熟ラットにおいては様々な即時痛(機械、熱、化学的刺激)に対し、Gα(Gα_q、Gα_<11>、Gα_0、Gα_<i-1>、Gα_<i-2>、Gα_<i-3>)ASはほとんど作用を示さなかったが、ホルマリン誘発疼痛実験における炎症性の疼痛行動がGα_qASにおいて有意に抑制されることが判明した。また坐骨神経絞扼神経因性疼痛モデルラットにおける痛覚過敏及び異痛現象はGα_0ASにより有意に減弱することを示唆する結果も得ている。一方モルヒネの鎮痛効果に対するGα_i及びGα_0ASの効果を検討したところ、Gα_<i-1>ASは有意にモルヒネの鎮痛効果を抑制したが、Gα_0ASはほとんど効果を示さず、マウスにおける報告とは異なる結果を得た。
新生ラットにおいてはシナプス伝達を抑制する神経伝達物質(GABA、オピオイド)に対するGα_iASの効果を検討した。ASを髄腔内に投与して2日後脊髄を摘出し実験を行った。その結果Gα_<i-1>ASはオピオイド(エンケファリン、エンドモルフィン)の濃度依存性抑制効果を減弱させたが、GABA_B作用薬バクロフェンの効果に対しては影響しなかった。Gα_<i-2>及びGα_<i-3>については現在検討中である。
以上のASの効果についてはすべてセンスオリゴデオキシヌクレオチドの効果を対照にしている。またASの効果は蛋白質発現減少を伴っていることをウエスタンブロットにて確認している。成熟ラットにおけるホルマリン誘発疼痛実験の結果は現在論文投稿中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sakashita et al: "involvement of piuitary adenylate cyclase acivating polypeptide (PACAP)in the primary afferent fibre-evoked responses in neonatal rat spinal cord." Jpn.J.Phamacol.(in press). (1998)

  • [文献書誌] 栗原 崇、山本 達郎: "脊髄-痛覚過敏とNO" Clinical Neuroscience. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 栗原 崇、田邊 勉: "電位依存性カルシウムチャネル" 蛋白質核酸酵素. (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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