研究概要 |
前年度の研究によってクローニングされたラット中性アミノ酸トランスポーター rASCT2のcDNAをプローブとして用いて、Northern blottingによるrASCT2の臓器分布の解析を行った。rASCT2のmRNAは2.7kbの単一バンドとして肺、骨格筋、大腸で発現を強く認め、腎臓、小腸,心臓、眼球において弱い発現を認めたが、精巣には発現を認めなかった。 次に予想アミノ酸配列から14ペプチドを合成し、KLHを結合させた後にウサギに免疫してrASCT2を認識する抗ペプチド抗体を作成した。この抗体を用いて免疫組織化学染色を行った。その結果rASCT2はラットの腎臓において遠位尿細管から皮質集合管の一部の細胞の管腔側に発現することが示された。ラットの小腸及び大腸では、上皮細胞管腔側に発現を認めた。以上からrASCT2は小腸及び大腸において腸管管腔内のアミノ酸を吸収し、腎臓において遠位尿細管に到達したアミノ酸を再吸収するはたらきをしていると考えられた。
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