• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

NMDAレセプターのチロシンリン酸化による機能調節

研究課題

研究課題/領域番号 09770076
研究機関大阪大学

研究代表者

名田 茂之  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50291448)

キーワードNMDAレセプター / チロシンキナーゼ / リン酸化 / Fyn / Chapsyn110 / PSD-95
研究概要

NMDAレセプターに結合し、NMDAレセプターと同様、Fynによりチロシンリン酸化される蛋白質p120は、マウス脳より精製・部分アミノ酸配列決定の結果、Chapsyn110とよばれるPSD-95ファミリーに属する蛋白質であることがわかった。Chapsyn110の一部とグルタチオンSトランスフエラーゼ(GST)の融合蛋白質を、Fynキナーゼのin vitro基質としてリン酸化反応を行なわせた結果、Fynによってリン酸化される領域がChapsyn110の2番目のPDZ領域(PDZ2)と3番目のPDZ領域(PDZ3)の間にあることが判明した。PSD-95ファミリーは全て同様のドメイン配置をもち、特に各ドメインでのアミノ酸配列の保存性が高い。しかしながら、各ドメイン間の長さや配列にはばらつきがあり、特にChapsyn110にはPDZ2とPDZ3に特異的なアミノ酸配列が存在する。Fynによるリン酸化はこのChapsyn110特異的な部分に起こっており、PSD-95ファミリーの中でもChapsyn110のみがチロシンリン酸化される理由になっていると考えられた。実際にChapsyn110の場合非常によくリン酸化されるN末からPDZ3までのGST融合蛋白質をPSD-95についても作製し、リン酸化アッセイを行なってもPSD-95は全くリン酸化されなかった。
Chapsyn110のリン酸化部位と考えられるPDZ2とPDZ3の間の配列にはチロシン残基を含む短い繰り返し配列が存在し、これは免疫系のチロシンキナーゼシグナル伝達モチーフである、ITAM(immunoreceptor tyrosine based activation motif)に良く似た構造であるといえる。今後、Chapsyn110の機能を考えるうえで、この部分のチロシンリン酸化の意義を解明することが重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Suzuki T.et al.: "Essential roles of Lyn in fibronectin-medicated filamentous actin assembly and cell motility in mast cells" J.Immunol.161. 3694-3701 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi