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1997 年度 実績報告書

胃悪性リンパ腫の発生・進展に関する遺伝子変化

研究課題

研究課題/領域番号 09770127
研究機関自治医科大学

研究代表者

鄭 子文  自治医科大学, 医学部, 講師 (90285768)

キーワード胃悪性リンパ腫 / 胃MALTリンパ腫 / 遺伝子不安定性
研究概要

今年度は胃MALTリンパ腫と高悪性度リンパ腫における遺伝子不安定性(RER)について検討した。対象は組織学的及び免疫組織化学的に診断されたMALTリンパ腫6例(10病変)、高悪性度リンパ腫14例(23病変)を用い、免疫グロブリン重鎖(lgH)の再構成、H.Pylori感染の有無、及び13種のmicrosatellite primerを用いたRERを検討した。lgHの再構成は新鮮凍結材料より抽出したDNAを用い、Southern blot法とPCR法で調べた。Southern blot法はlgH遺伝子J領域に対するJH prodeをPCR法はCDRIIIに対するprimerを用いた。遺伝子不安定性は13種類のmicrosatellite領域のprimerを用いて検討した。MALTリンパ腫1例を除いて全例にlgH再構成が存在し、同一腫瘍部の複数箇所の異常断片は全例同一(8/8例)であった。RERはMALTリンパ腫で4/6例(7/10病変)、高悪性度リンパ腫14/14例(23/23病変)であった。RERの出現個数は、MALTリンパ腫では2個1例、1個3例;2個1病変、1個6病変、高悪性度リンパ腫では4個3例、3個1例、2個7例、1個3例;4個4病変、3個4病変、2個10病変、1個5病変で、有意にMALTリンパ腫に較べ高悪性度リンパ腫でRERの出現頻度が増加している。ともに同一腫瘍部の複数箇所で異なるRERが検出された。以上より、遺伝子不安定性は胃リンパ腫の悪性度と相関し、また、同一腫瘍内で免疫グロブリンの再構成が同一であっても、部位により異なった遺伝子異常を蓄積しながら進展しているものと考えられる。H.Pylori感染はMALTリンパ腫全例、高悪性度リンパ腫11/14に認められ、H.Pylori感染陰性例ではRERが高頻度(4個2例、2個1例)に認められた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ja-Mun Chong(鄭,子文)et al.: "Microsatellite Instability and Loss of heterozygosity in gastric lymphoma." Laboratory Investigation. 77.6. 639-645 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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