研究概要 |
1.免疫組織化学の結果 1)CD44 a)正常子宮内膜 CD44s,CD44v3,CD44v6陽性内膜腺は、増殖期では散在性に認められ、かつ、そのintensityは非常に弱かったが、分泌期の中期から後期にかけて、いずれの発現も統計学的に有意に著しく増強した。 b)過形成性内膜 Simple,complex,及びatypical typeのhyperplasiaについて検索した。いずれの発現様式も正常内膜の増殖期とほぼ同様で、明らかな相違は認められなかった。 c)内膜癌 正常(増殖期)及び過形成性内膜に比べて、CD44の発現は有意に増加したが、臨床病理学的事項(病期、筋層浸潤の程度、リンパ節転移の有無)との関連性は乏しかった。 腫瘍内に扁平上皮化生を示す部分にはCD44v3及びCD44c6の過剰発現が認められた。 2)CD44とホルモンレセプター発現との関係 正常子宮内膜では、CD\\発現はestrogen and progesterone receptors(ER and PR)発現と負の相関関係を示した。一方、内膜癌では明らかな関連性は認められなかった。 2.Western blotの結果 正常内膜及び内膜癌についてCD44s,CD44v3,及びCD44v6について検索した。免疫組織学的検索結果とWestern blotの結果はほぼ同様であった。 3.RT-PCRの結果 内膜癌におけるCD44mRNAの発現は,正常内膜に比べて有意に増加していた。しかしながら、蛋白レベルの発現との関連性は乏しかった。
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