研究概要 |
1. RT-PCR法によるCD44 standard及びvariant exonsのmRNA発現の検索 CD44 variant 2 exonからvariant 8 exonにかけて、各々のvariantsに特異的なforward primersと下流のstandard region(exon 16/17)のcommon reverse primerで、exon-specific RT-PCRを行った。variant 6-8 exonsは、正常子宮内膜及び癌組織で同程度の発現を認めたが、variant 2-5 exonsの発現は後者で有意に高かった。しかしながら、癌特有のvariant exonの発現は認めなかった。さらに、variant 2及び3 exonにおいて、目的のproductsより短いfragmentsを正常子宮内膜及び癌組織の両方のsamplesで認めた。fragmentsの大きさから類推すると、このproductsは(v2)v3-v8-v9-v10で構成されている可能性があり、これはvariant 3 exonにsp1icing acceptor siteが存在することが大きく関与していると考えた。 2. 臨床病理学的意義 CD44各種variantsの発現と、臨床病期、筋層浸潤の程度、及びリンパ節転移の有無の関連性を検討したが、明らかな関連性は認めなかった。 以上より、子宮内膜癌では癌化に伴いCD44の過剰発現を認めるが,これは単にsplicing機構の異常による可能性が示唆された。
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