昨年度のp73遺伝子の検索に続きp53遺伝子との相同性を有するp51遺伝子の突然変異解析を行った。58例の前立腺癌(日本人症例)につき突然変異解析を行ったところ、6例にcodon 348にctg→ttg:L→Lのpolymorphismを検出したが、アミノ酸置換をともなうmutationは検出されなかった。さらにmRNAレベルでの発現解析を前立腺癌細胞株において行った。PC-3株ではp53、p51、p73の全てにおいて発現が低下していた。DU145、LNCaP株ではp51とp73の発現が低下していたが、p53の発現は保持されていた。特にPC-3株ではp73の、LNCaPではp51の発現が全く認められなかった。 この発現解析を臨床癌で行うため、60例の前立腺癌(日本人症例)の癌部、非癌部よりmicrodissection法にて組織を採集し、total RNAを抽出、これらよりcDNAを合成した。
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