1.オスおよびメス成虫可溶性抗原の調製 ICRマウス10-20匹に日本住血吸虫セルカリアを各100-300隻感染させ、5-6週後に門脈灌流を行って成虫を得た。実体顕微鏡下にてオスおよびメスを1匹ずつ注意深く引き離し、それぞれ凍結乾燥した。この感染および回収実験を3回繰り返して凍結乾燥虫体を集め、ベロナール暖衝液を加えて10回以上凍結融解して抗原を抽出した。最終的にオス20mg protein、メス6mg proteinの可溶性抗原を得た。今後この抗原をモノクローナル抗体の2次スクリーニングおよび解析に用いる予定である。 2.成虫抗原反応性ハイブリドーマの樹立 日本住血吸虫成虫の可溶性抗原をフロイント完全アジュバントと共にBALB/cマウスに腹腔内免疫し、数週後に抗原のみで2次免疫を行ったのち、脾臓細胞を得てBALB/cマウス由来エミローマ株NS-1とPEG4000にて細胞融合を行った。マイクロプレートリーダー550(科研費補助金で購入)を用いて、2週後にELISAにて1次スクリーニングを行い、約800個のwellの中から48個のpositive wellを得た。これをmother wellとしてまず凍結保存し、各wellからLimiting dilutionにてクローニングを試みた。その結果、現在までに22個の成虫抗原反応性クローンを得ることができた。現在も第2次の細胞融合とクローニングを継続中であり、最終的に数十以上の成虫抗原反応性クローンを得た上で2次スクリーニングを行い、上記で得たオスおよびメスの抗原を用いて、性特異的に反応するクローンおよびin vitro虫卵産生抑制活性をもつクローンを得る予定である。
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