研究概要 |
1.RepA蛋白の精製 野生型RepA蛋白はヒスチジンタグ融合蛋白として大腸菌で発現させ、Ni-NTAresinカラムおよびmono-sカラムを用いて大量に精製することに成功した。またRepAの興味ある変異型であるz279とcopについても、回収率は劣るが、ほぼ同様の手法により大量に精製することができた。 2.ヒスチジンタグ融合蛋白としてRepA蛋白の複製開始活性。 大腸菌を用いたin vivoの活性を調べたところ、野生型ではヒスチジンタグのあるなしで活性の差は認められなかった。またz279,copともに複製開始活性を失っていた。 3.精製RepA蛋白を用いたトリプシンによる部分分解 RepA蛋白はDNA結合能および蛋白間の相互作用など、いろいろな機能がドメイン構造をとっている可能性がある。これを調べるためにトリプシンによる部分的な消化を試みた。その結果Ser_<59>とLeu_<217>の直前に消化されやすい部位があることが分かった。これまでの知見より、Leu_<217>を境にN末側ではDNAとの結合を、C末側では蛋白間の相互作用にかかわる部分が各々存在することが示唆されており、これらがドメイン構造をとっている可能性を支持するものと思われる。 4.今後の検討課題 inc活性を保持しているz279が複製開始活性をもたないことの解析を、精製蛋白と複製開始DNA領域とのゲルシフト実験等により明らかにして行きたい。
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