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1998 年度 実績報告書

Pasteurella multocidaが産生する毒素の細胞内標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 09770179
研究機関大阪大学

研究代表者

堀口 安彦  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (00183939)

キーワードPasteurella multocida / 細菌毒素
研究概要

Pasteurella multocidaの産生する毒素(PMT)は細胞に対して強いマイトージェン活性を持ち、細胞内のフォスフォリパーゼcを活性化することが知られているが、その詳細な作用機構は不明である。本研究ではPMTの作用機構解明の手がかりを得るためにPMTに特異的に結合する細胞成分の検索を試みた。マウス線維芽細胞Swiss3T3の破砕液をSDSポリアクリルアミド電気泳動で分離した後にPVDF膜上に転写し、PMTと抗PMT抗体を用いてリガンドオーバーレイアッセイを行った。その結果PMTに特異的に結合すると見られる60kDaのタンパク(p60)を検出した。種々の細胞を用いて調べたところ同様のタンパクはPMTによって形態変化を起こすSwiss3T3、C3H10T1/2、Rat1.COS7で検出され、形態変化を起こさないHep3Bでは検出されなかった。またp60はマウスの脳、肝臓、腎臓のいずれの臓器からも検出されなかった。Swiss3T3細胞の破砕液を遠心分画すると、p60は膜不溶画分に存在することがわかった。PMT遺伝子の改変により種々のPMTの断片ペプチドを作製してp60との結合性を調べたところ、アミノ酸位840-983の領域にp60との結合領域が存在することが示唆された。
以上の結果より、PMT感受性の細胞にはPMT結合性の特異的なタンパクp60が存在することがわかった。このp60は細胞の不溶性画分に存在し、全長1,287アミノ酸からなるPMTのアミノ酸位840-983の領域と結合することがわかった。p60はPMTの膜受容体か細胞内標的分子のいずれかではないかと考えられる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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