本研究では、細胞接着因子としての機能を有し、細胞融合制御システムの一部として存在するFusion Regulatory Protein(FRP-1)に対するリガンドの同定を目的に研究を行った。 昨年度の研究でリガンド検索のプローブトして作製したsoluble FRP-1(sFRP)の大量精製のためセンダイウイルスベクター(東大医科研、永井教授より分与)を用いて、発育鶏卵の漿尿液からのsFRP-1の回収及び精製を、それと並行してLac switchを用いたsFRP-1誘導発現細胞の培養上清からの精製をアフィニティーカラムを用いて行った。このプローブを用いてリガンドのdistributionを検索した結果、HsOs-1及びGCT細胞に多く発現しており、これらの細胞からcDNAライブラリーを作製した。HsOs-1細胞からのcDNAライブラリーは、mix primer(n=20)を用いたRT-PCR法によりcDNAを作製し、SurfZAPベクターを用いたPhage display(バイオパンニング)によるスクリーニングに、また、GCT細胞からのcDNAはoligo dTおよびrandom primerを用いたGubuler-Hoffman法により作製し、発現ベクター(SRα296)に挿入し、COS細胞を用いたパンニングに使用した。 現在までのところ、これらのスクリーニング結果からのリガンドの同定にはいたっていない。さらにスクリーニングを繰り返し、また、新たにFACScansortingによるスクリーニングを導入してリガンドの同定を遂行したい。
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