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1998 年度 実績報告書

炎症時に発現される新しいADAMファミリー遺伝子ADAMTS-1の機能発現解析

研究課題

研究課題/領域番号 09770214
研究機関金沢大学

研究代表者

久野 耕嗣  金沢大学, がん研究所, 助手 (40242565)

キーワードADAM / メタロプロテアーゼ / 細胞外マトリックス
研究概要

ADAM(A Disintegrin And Metalloproteinase)はヘビ毒メタロプロテアーゼおよびディスインテグリン群と相同性を示す遺伝子の総称である。我々は癌悪液質誘導性のマウスcolon26腫瘍で高発現する遺伝子として、新規のADAMファミリー遺伝子、ADAMTS-1を同定し(Kuno K.et al.,1997)、その解析を行っている。
ADAMTS-1は他のADAMファミリー分子とは異なり、膜貫通領域を持たず、そのかわりに3つのトロンボスポンジン(TSP)タイプIモチーフを有するユニークなADAMファミリー分子である。本年度はCOS-7細胞発現系を用いADAMTS-1蛋白の分泌性等の基本的性質について調べた。その結果、COS-7細胞発現系では、ADAMTS-1蛋白は分泌性であるにもかかわらず、その培養上清中にほとんど検出されないことがわかった。その後、これはADAMTS-1蛋白が細胞外マトリックスに取り込まれるためであることがわかった。この時、ADAMTS-1蛋白は、プロドメインを有する前駆体およびプロドメインが除去された成熟型として細胞外マトリックス分画に検出される。またヘパリン存在下で同様に発現を行った場合、ADAMTS-1蛋白は細胞外マトリックスからはずれて、培養上清中に放出されることがわかった。このことから、ADAMTS-1蛋白はヘパラン硫酸等の硫酸化多糖を介して細胞外マトリックスに結合すると考えられる。さらに同タンパクのECM結合領域を調べるため、種々の部分欠損変異体を作製して解析した結果、C末端領域の3つのTSPタイプIモチーフおよびその間のスペーサー領域が、それぞれECM結合能を有することがわかった。以上のことから、ADAMTS-1蛋白は、細胞から分泌された後、C末端側領域における複数のECM結合部位を介して産生細胞のECMに取り込まれる一方、プロテアーゼ部分はフリーの状態であることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kuno K.et al.: "ADAMTS-1 protein anchors at the extracellular matrix through the thrombospondin type I motifs and its spacing region." J.Biological Chemistry. 273. 13912-13917 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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