研究概要 |
健康教育・健康管理を実施する上で、各人の生活習慣を把握しておくことは重要である。平成9年度および平成10年度の研究においては、さまざ゙まの生活習慣の中から特に朝食の摂取状況などの朝の生活習慣を中心に調査し、性、年齢、婚姻、職種および定期健康診断の検査結果との関連を調べた。方法は地方自治職1295名(男性819名、女性476名)を対象に、自記式質問票調査を実施した。調査した項目は、睡眠時間、起床時間、朝食の頻度、朝貢の所要時間、通勤時間、婚姻状況、職種である。また、定期健康診断の検査結果の中からBMI、血圧、肝機能、血中脂質濃度、尿酸値などに着目し、解析を行った。性、年齢、婚姻状況、職種別の睡眠時間、起床時間、通勤時間、朝食所要時間の調整平均値を比較したところ、睡眠時間は男性の方が有意に長く、また、女性の方が有意に早起きであった。年齢が上がるにつれて起床時間が早くなる傾向がみられた。朝食所要時間は男性の方が短く、また、高齢者は時間をかけて朝食を食べる傾向が認められた。朝食の摂取状況は若年者ほど欠食率が高かった。朝食の種類は男性で米食中心が、女性でパン食中心が多かった。また、若年者ほどパン食中心であった。検査成績との関係であるが性、年齢、婚姻状況、職種で補正した調整平均値を比較したところ、朝食の摂取頻度が毎日である群は1週間に3〜4日の群に比較しγ-GTPが有意に低く、また、HDLコレステロールが有意に高かった。また、朝食所要時間が15分未満の群は15分以上の群に比較してHDLコレステロールが低い傾向にあった。朝食の種類と検査結果においてはBMI、収縮期血圧、GOT,GPT、γ-GTP、尿酸は米食中心の群が有意に高く、総コレステロール値はパン食中心の群が有意に高かった。それ以外は特に有意な関係を認めなかった。
|