研究概要 |
関連の4自治体の許可・協力を得て、1995年1月より1996年12月までの異動状況を調査した。その結果、この期間に新たに死亡:282、転出:169を確認した。死亡者については、管轄保健所にて死亡小票の閲覧により死因を確認し、ICD9コーディング方式に順じてコード化した。さらに、これらの追跡結果を電算機に入力し、個人に与えた調査番号をキ-変数にして、ベースラインの睡眠データと電算上でリンケージした。 基礎調査における睡眠障害の性・年齢による特徴を分析した。「熟睡できない」と訴えるものの割合は年齢による明らかな差を認めなかったが、他の睡眠障害を有するものの割合は、男女とも加齢とともに増大する傾向を認めた。男では、「朝早く目が覚める」者の割合は50歳台にての増加が顕著で、30〜45%にも達する。「夜中に目が覚める」者の割合は加齢とともに徐々に増大し、60歳以降では30%を超える。女では、「夜中目が覚める」者の割合は、60歳台以降、40%を超える。「朝早く目が覚める」者割合は、男性ほど多くないものの、加齢による増加の傾向は顕著である。「ねつかれない」者の割合も50歳台以降に増加し、20%に達する。 また、睡眠障害と死亡との関連について、A自治体の約4,200人についてCox Proportional Hazards modelを用いて予報的に解析した。交絡因子として性、年齢、慢性病治療中、喫煙、飲酒を同時にモデルに投入した。65歳以上の高齢者では、睡眠障害はその後の死亡との関連を認めなかった。64歳までの年齢層ではいくつかの項目でリスクの高まりがみられ、「夜中に目が覚める」:相対危険度,1.6;95%信頼区間,0.9-2.7、「ねつかれない」:相対危険度,1.5:95%信頼区間,0.8-2.8であった。
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